1857年、奴隷商人マスタースンが黒人たちを惨殺。
それから幾年も流れた現代、何も知らずにその館に越してきた精神科医デヴィッドと、彼の治療により回復した歌手のケイト、そしてその息子に不思議な怪奇現象が襲う。
フロリダ州を舞台に奴隷商人の呪いを描いたホラー映画。
劇場公開時は全く話題にならず、製作費もほとんど回収できなかったという本作。
スラッシャー映画全盛期の'80年代にあって、古めかしい幽霊屋敷ものというジャンルが敬遠されたのかもしれない。
そんなわけで、ジャンル的には古典的な幽霊屋敷ものである。
良いところは、幻覚シーンや特撮がけっこう気合入ってたくらいかな。
基本的なプロットは極めてシンプルなのだが、細かいディテールに不可解な部分が目立つ。
奴隷達の呪いが関係の無い人達にまで及ぶ辺りが、意味不明で釈然としません。
『カリガリ博士』('20)をもろにパクったクライマックスも意味不明で無理がある。
余り突っ込むとこの手の映画は楽しめなくなるので、余計な詮索しない方がいいんですが、気になるものは気になっちゃいます。
まぁ、お世辞にも良くできた映画とは言い難い。
アメリカン・ゴシックな雰囲気は悪くないだけに残念でした。