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ヨコハマBJブルースのtakのレビュー・感想・評価

ヨコハマBJブルース(1981年製作の映画)
3.3
大学時代、軽音楽系のサークルに所属して、キーボードを担当していた。鍵盤弾き男子が少なかった時代だったからか、僕は先輩方のセッションに呼ばれることが多く、いろんな経験させてもらった。
😼「takは柳ジョージ好きだったよな」
🙄「あ、はい。」
😼「「時の流れに」演るから手伝え。カセット📼渡しとくから」
😀「あの曲いいっすよね。コピーしときまーす。緊張するな。」
😼「2曲目に入ってるやつも演るから。準備しとけな。」
2曲目は松田優作。YOKOHAMA HONKY TONK BLUESだった。

今思うと、どちらも大学生にはなかなか背伸びした選曲だと思う。けれど、あの頃3つ4つ歳上の先輩は、すっごく大人に見えたから、自分が中坊だった頃の大人の音楽を演奏するというだけでも妙にカッコよく見えたものだ。そこにまだ10代だった自分も加わるなんてさ。生意気だ。

YOKOHAMA HONKY TONK BLUESを劇中、松田優作が歌う映画があると後に知った。そりゃカッコいいに決まってるだろ。あれからウン十年。やっと観ることができた。

ブルースシンガーのBJは歌手だけじゃ食べていけないから、探偵の真似事めいた仕事をしている。行方不明の息子を探す依頼を受け、闇社会の"ファミリー"のボスに男娼として囲われていると知る。親友の刑事と会っている最中に刑事は狙撃される。刑事の妻はBJの元カノ。彼とコンビを組んでいた刑事から殺人の疑いをかけられたBJは、暴行混じりの取調べを受ける。やがて事態は麻薬がらみの事件に発展。BJは窮地に立たされる。

けっこう入り組んだ話なのだが、説明になりそうな台詞もない。無言の映像で結末を示す。しかしそれが不親切とは全く思えない。それは絵になるショットの連続と、全編に漂う気怠いムードが実に魅力的だから。クリエイションが演奏する音楽にかすれた優作のボーカル。友人刑事は内田裕也、店のカウンターで渋い顔してる宇崎竜童、ボスの用心棒安岡力也、殺し屋の蟹江敬三、紙を切らしたトイレで絶叫するボス財津一郎、眼鏡屋の殿山泰司まで印象的なキャラクターたち。男娼少年とBJの心の交流も心に残る。

あの曲が流れる場面。

C/E7/Am/C7
F/F♯dim/C/A/D7/G

指がコード進行覚えてた。
これを演ってた若造って、やっぱり生意気だよなぁ😅
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