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柳と風ののんchanのレビュー・感想・評価

柳と風(1999年製作の映画)
4.5
アッバス・キアロスタミの脚本が活きているのもあるだろうが、新鋭モハマッド・アリ=タレビ監督の才を全身で浴びて、心がすっかり洗われた気分🫧これは素晴らしかった👏✨

小学校に転校して来た少年が主役なのかと思いきや、途中からメインが変わる。
主役の少年クーチェキは教室の窓ガラスを誤って割ってしまい、貧しい家庭でお金がないのに、先生からその日のうちに入れ直しをしないと授業が受けられないと言われてしまう。
(イランの教育制度が理解不能だが、日本では考えられない代償を小さな子供に与える学校側は罪作りだわ😖)

とにかく裕福な転校生の父親からお金を借りて、丘の上のガラス屋まで急ぐのだが、片道何キロあるのか子供の足では1時間以上かかる、計り知れない距離。途中、山道、深い川、樹々の間を抜けて抜けて...

窓のサイズも覚束ない中、優しいガラス屋のおじさんとのやり取りも真剣。105×87で合っていたのだが...切断してもらったガラスを素手で持つ。その持ち方だけでハラハラドキドキ「あ〜、割れちゃうよ〜😨、気を付けて〜😫」と下手なホラーより余程にスリル満点🥶

なんとか学校に辿り着き、たった1人で悪戦苦闘し...
風の音、雨の音が効果的に使われるのだが、ドアの開閉で風が入り込み...😱その時、音だけで事態を知らされる鑑賞者🤯

ラストは夕焼けに染まる空、知り合いの兄貴分のバイクに乗せてもらいガラス屋へ行く姿、影絵のようにカメラが引いて映し出す🌄そのなんと美しいことか✨


エンタメアクションもコメディもラブストーリーも良いけどね、たまに素朴過ぎる原点の世界を観ることで、ああ人間って強いな〜、何でも出来るんだな〜、学ぶな〜としみじみと思い直させられる。

はぁ〜観て良かった🌟
leylaちゃん、いつもありがとう💕
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