masayaan

晩春のmasayaanのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.0
カメラが頑なに動かない。パンするくらいなら死んだほうがマシだという主義のカメラマンが撮っているのだろう。床の上からひっそりと、ドラマの断片を定点で捉え続けている。静かな、繰り返しのモンタージュ。だからこそ、際立つ女の激情。あたしは嫉妬深いのよ、という笑顔が先に進むほど恐ろしい。やがて近親相姦的な雰囲気すら漂う後半がカラッと処理できているのも、全てが反復の中で流れていくからだろうか。

久しぶりに映画を見る時間が確保できた時に、何故か手が向かったのが、小津。レビューの書き方は忘れてしまった。
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