yoko45

8 1/2のyoko45のレビュー・感想・評価

8 1/2(1963年製作の映画)
4.6
 創造することを生業としている方はヒラメキや意欲が涌かなくなったら苦しいのでしょう。永遠に湧く泉を求めるように現実から逃げたくなるのかもしれません。
 主人公で映画監督のグイドは仕事仲間や愛人や妻らと向き合えなくなり、幻想のなかに安らぎを得たいがそこも楽園ではない。この幻想が懐古、願望、葛藤、矛盾など心の奥の様々感情が溢れては入り交じる混沌とした世界で興味深いです。
 有名な最後の場面、本作の登場人物たちが現れ輪になって踊る、人生はお祭り、心の殻や他者との壁から解き放たれるようで印象的。これとは真逆の葬儀のような最後も撮影されていたが採用されなかった逸話も面白いです。
 人は色々経験して年を重ねても幼少の頃に帰りたくなるのかな…

(メモ)
ATフィールド
周りを振り回す迷惑な人の話として見てしまっても憎めないマストロヤンニ
エーメ (ローラ)
カルディナーレ(ブーベの恋人)
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