アキラナウェイ

ディナーラッシュのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)
3.9
Filmarksでは「TSUTAYA」「TSUTAYAプレミアム」のレンタルのみの表示だけど。

アマプラの無料配信でも観れるのだ!!
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以前から観たいと思っていたので、アマプラで見つけた時は小躍りした。

とあるレストランを舞台に、愛憎渦巻く一夜を描く。主演はダニー・アイエロ。

冬のニューヨーク、トライベッカ。ギャングの手によってエンリコという男が殺された。そして、イタリアン・レストラン"ジジーノ"では、今日も変わらずディナーラッシュの時間が訪れる—— 。

厨房は戦争。
しかし、この店ではフロアもまた戦争。

妻に先立たれ、この日友人をも亡くした"ジジーノ"のオーナー・ルイ(ダニー・アイエロ)。そして彼の息子であり、店を早く継がせて欲しいと思っている料理長のウード。

借金を抱えながらもギャンブルに金を注ぎ込んでしまう副料理長。現代アートにうるさい老紳士。料理評論雑誌の記者の女性達。バーカウンターで人間観察を楽しむ男。どんなクイズも即座に答えるバーテンダー。そして、エンリコを殺したギャングが2人…。

決して広くはない店内で、様々な思いが交錯する。

次から次へと客が詰めかけ、火曜日だというのに、客の数は250人を超えた。

ギャングが入店した事で流れる不穏な空気。「料理を待たされている」と苛つきを隠せない客達。怒号が飛び交う厨房。

この緊迫感が堪らない。

次々に仕上がっていく料理も、
台詞の端々も、
何もかもが洒落ている。

そして、何よりも洒落ていたのが終盤の隠し味である"オチ"。この風味がまた格別。

店内の喧騒も、慌ただしい厨房も、ダニー・アイエロの渋さも、何より群像劇である事も。全部好き。