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壁あつき部屋のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

壁あつき部屋(1956年製作の映画)
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まったく知らなかったことばかりで戦後の日本史をわかっていない自分が恥ずかしくなった。それと同時に、今に続く怒りの系譜を改めて辿る必要性を感じました。本作はBC級戦犯の巣鴨プリズンでの手記を元にしています。小林正樹監督、安部公房脚本ですが、日本語版wikipediaも作られておらず、海外(アメリカ)からは、初めてBC級戦犯について作られたことは評価されたが、内容がBC級戦犯は上官の命令に従っただけの責任回避した作品と捉えられています。製作されてから公開されるまで3年かかりました。

戦後、裁判されずに、現地で連合軍にその場で処刑された兵士たちがいたこと。そしてなにより驚いたのは、A級戦犯から釈放されていったこと。A級戦犯でも釈放され、わりとすぐに要職に就いた人がいたことは知っていましたが、BC級戦犯が後回しになり、長期の抑留で自殺者や精神を来す者がいました。朝鮮戦争真っ只中の米国との政治的な取り引きの辺りは、会話の中でしか触れていませんが、とても大切な戦後の歴史をもっと知るべきだと思い知らされました。

戦後7年経って、映画は1952年のリアルタイムの状況を描いています。日米のサンフランシスコ講和条約が1952年に締結。その後、BC級戦犯が全員解放されるまでに戦後20年近く(1964年)かかっています。ただし、BC級戦犯5700人の内、920人が処刑されました。

ショッキングな内容だったので、スコアつけられませんでした。
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