アキラナウェイ

魔法にかけられてのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

魔法にかけられて(2007年製作の映画)
3.8
現実のニューヨークに迷い込んだアニメ世界のお姫様が巻き起こすドタバタミュージカル。

ファンタジー感満載のディズニー作品にはアレルギー反応が出ちゃう事が多いけど、これは意外に面白い。

アニメと実写とを切り替える事で、ファンタジーとは違うもう一つの視点で、シニカルな笑いに昇華出来ているのがミソ。

【アニメ世界】アンダレーシアに住むジゼル姫はエドワード王子と婚約する。しかし、王子の継母である悪の魔女ナリッサは自分が女王の座を奪われることを危惧し、ジゼル姫を現代都市のニューヨークに追放してしまう—— 。

【現実世界】大都会で路頭に迷うジゼル姫は、弁護士のロバートと娘のモーガンに助けられる。エドワード王子はジゼル姫を救い出す為に現実世界へ駆けつけるが—— 。

エイミー・アダムス演じるジゼル姫の、頭の中がお花畑なのが面白い。話す時の声のトーンは高めで、目もパチパチ。まさにアニメーションから出てきた様な演技はお見事。

現実世界じゃ浮きまくりの不思議ちゃん。

ロバート(パトリック・デンプシー)も途中まで、彼女の事を完全に頭おかしい人扱いだもんね。

ジェームズ・マースデン演じるエドワード王子も、猪突猛進タイプで空気が読めない王子様。

アニメじゃ違和感のない事が、
現実だったら違和感の塊なのが滑稽で。

お部屋のお掃除〜!!
ちょ、待って。
鳩、ネズミ、ゴキブリ大集合〜!!
このシーンは、オェッてなった。

ロバートの部屋のカーテンを勝手に切り貼りしてドレスにしちゃうジゼル姫が可愛い。街の人達とのミュージカルシーンも素敵。

スーザン・サランドンの魔女役はピッタリで、老婆に扮した姿は別人かと思う程の特殊メイク。ロバートの彼女役のイディナ・メンゼルもめちゃんこ魔女顔で、てっきり彼女がヴィランかと思っちゃったよ。

CGのドラゴンだけはショボいけど、おとぎ話とリアリティのミックスアップがこんなに楽しいとは意外な発見。

全編に散りばめられたセルフパロディの妙や、古典的なアナログアニメの美しさは、流石のディズニークオリティ。

何でも食わず嫌いは良くないね。