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緑の光線のmasayaanのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
4.2
め、めんどくせー!笑。めんどくせーけど、彼女の気持ちが分からなくもない。彼女が19歳だったならば、だが。かく言う僕も少なく見積もっても25歳くらいまではかなりぐるぐるしてたしなー。彼女は、人生のどこかのタイミングで人生に置いていかれてしまった女であり、何となくこれじゃあ不味いんだろうなあ、と思いつつも今さらどうにもならない事が分かっているからこそますます内に籠る。だって、バカンスにドストエフスキー持ってく馬鹿がいるか? で、私は空気読んでるのに、と泣きながら訴えること自体が超空気読めてない、こじらせまくりな負のスパイラル。極めつきは、唯一、彼女のことを見捨てなかった友人にワガママを聞いてもらって、友人の親戚の家にお世話になる数日の気まずさ。子供の興味本位の質問にも見栄を張って嘘をつき、気を使われまくりな食事の場でも、「赤い血の流れる動物の肉は私に近い気がするから食べない。あなたたちは、これが暴力を受けた生き物の肉ってことを忘れてしまったのよ」なんつー、間違ってはないが超不思議系の厨二な持論を展開するシーンに至っては、思わず髪の毛を掻きむしってこっちが泣きたいくらいだった。「嫌なことを強制しないで!!!」と泣きじゃくる割には、「君の一番したいことはなんだい?」に答えられない、つまらない人間。でも、なんか、大きな失敗があった度に0.5ミリほど自分を修正していくように感じられたのは悪くなかった。相変わらず画面に降り注ぐ光は美しい。
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