イタリアに住む5人の子供たち
子供たちの顔を見たくて
シチリア島から
突撃する父親のマッテオ

ナポリにいるアルヴァーロの家
アポなしだから
途方に暮れるマッテオ

頼る人もなく寒空の下
幼い姿の子供たちの幻が現れて
マッテオに話しかけてくる
子供たちの直接言えなかった本音

子供たちが見せた姿は全て嘘だった
必死で心配をかけたくない
子供たちの気持ち

幻想的な雰囲気が際立っている

マッテオがメトロであったコソ泥に
全く怯むことなくパンチを浴びせるのは
良かった
ビシッと入ってました

孫が見せてくれた星空の夜景とか
ハンバーガーの味がプラスチックみたいとか
世の中の偽物を見せる

マルチェロ・マストロヤンニの演技
ホントにあったかい
何とも言えない気分になってくる
何回でも観たくなる

「東京物語」のオマージュ
ジュゼッペ・トルナトーレ監督
「霧の中の風景」のトニーノ・グエッラの脚本

マッテオがミラノのスカラ座で聴いた
ヴェルディの『椿姫』第三章前奏曲
指揮者役にはエンニオ・モリコーネ

「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督作品です。
「東京物語」がベースになっています。
「東京物語」はたくさんの監督にリメイクされていますね。
山田洋次版と小津安二郎版は見ています。

分かりやすい人情ものです。
実はちょっと、つらいストーリーでもある。

親の心、子知らず

ジュゼッペ・トルナトーレ監督 x 音楽エンニオ・モリコーネ。
前年公開の『ニュー・シネマ・パラダイス』のトト少年役のサルヴァトーレ・カシオ君も出てきます。

シチリア島に一人暮らす70代のマッテオ・スクーロ（マルチェロ・マストロヤンニ）は、久々に5人の子供の家族を集めようと夏休みにバンガローを5つも借りたが、みな忙しくて実現せず。

それならばと、イタリア各地に暮らす5人の子供たちを尋ねようと列車で旅立つ。（子供たちへの事前連絡は無しで）

ナポリ大学にいるはずの息子アルヴァーロは不在。
ローマで議員秘書をしている息子カニオ。
女優とモデルで活躍している様子の娘トスカ。
ミラノで打楽器奏者をしている息子グリエルモ。
そしてトリノに暮らす娘ノルマ。

アルヴァーロ以外とは会えたマッテオは、徐々に彼らの現実に気付きつつ、ローマでみんなで食事をしようと提案するが、レストランに登場したのはカニオとグリエルモ、二人の息子だけ。
そしてアルヴァーロが不在の理由を知らされる。。

マッテオは列車内で意識を失い病院へ。
病室にやっと集まった子供や孫たち。

一人シチリアに戻ったマッテオは、丘の上に眠る亡き妻の墓に「みんな元気だったよ」と（嘘の）報告をするのだった。

列車で同乗した人たちに子どもたちの写真を自慢げに見せる、瓶底メガネが微笑ましいマッテオ。
普段ほとんど連絡も来ない子どもたちの現実が想像と大きく違った、哀しい父親像の名演でした。

カンヌ国際映画祭: エキュメニカル審査員賞
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞: 最優秀音楽賞
ほか