こぅ

ブロンドの殺人者のこぅのレビュー・感想・評価

ブロンドの殺人者(1943年製作の映画)
4.1
エドワード・ドミトリク監督による、
【ハードボイルド・ノワール】。

邦題、あかん‼︎って。

OPから、取り調べの俯瞰、立ち込めるタバコの煙〜スタイリッシュなクレジット文字と劇伴、ノワールムード満点だ。
そこからカメラは一気に窓から抜け、回想シークエンスに繋げる手際良さに痺れ、ようこそ'40年代の世界に誘われる。

最初の出所したムースからのヴェルマ探しの依頼から次なる依頼や、人が間髪入れずにどんどんテンポ良く尋ねて来て、展開は枝分れ、【人物相関図】が必要なくらいだ(個人比)。
勿論、しっかり無駄無く繋がってくるのは抜かり無い。

こゆ展開は、推理小説、探偵物あるあるの定番だ。
プロットはシンプルだが、わざわざ巧みに人間関係を【複雑化】させている。
ハイテンポでセリフも多い為、犯人予想する余地を与えられない⁉︎タイプ。

中盤辺り、フィリップがアムサーに殴られて気絶し、麻薬によって見る、正に【悪夢】映像が秀逸。
警察での回想モノローグは分かるとして、途中いつ再度回想に入ったのか謎だが、自分に向かって◯図しているは面白い。
  
ミスリードや伏線回収も抜かり無い。
ただ、厳密に盲点を突っ込むと、肝心の殺人シークエンスは、すっ飛ばしていて(再現も無い)、実際そんなに上手くいくのか⁈って、ご都合主義。

クライマックスは、主犯は予想通りとして、【修羅場】を用意していた。


事件解決後のラストの図らいは粋だ。


コントラストがはっきりした映像は、冒頭から各所陰影が冴え渡っていたし、アングルやトラッキングショットで観せまくる。

ヴェルマ役クレア・トレヴァーのファムファタっぷりと、アン役、アン・シャーリーの美しさ、2女優も印象的。

探偵フィリップ役、ディック・パウエルの役作りが、【犯人を逃すな】と一緒に見えたのは、思い過ごしか⁈


*最近強く印象に残っていた豪快呑兵衛おばちゃん、エスター・ハワードが、また同じ様な役で出ていたな。
こぅ

こぅ