一人旅

マルクス兄弟 オペラは踊る/マルクス兄弟オペラの夜の一人旅のレビュー・感想・評価

3.0
サム・ウッド監督作。

主に1930年代から40年代にかけて活躍したアメリカのコメディグループ「マルクス兄弟」が主演した喜劇映画で、本作はマルクス兄弟のMGM専属第1作目となります。

富豪の未亡人からオペラ劇場への多額の投資を確約させた詐欺師の男(グルーチョ・マルクス)が巻き起こす一連の騒動を描いたドタバタ喜劇で、歌姫と売れないテノール歌手の純情な恋とアメリカンドリームのゆくえを織り交ぜつつ、欧州から船でNYに到着した詐欺師とその取り巻きたちが巻き起こすオペラ劇場での狂騒の一部始終を描いていきます。

客船の狭い客室が人ですし詰め状態になるシーンやいけ好かない人物を何度も殴って気絶させるシーンなどドタバタな喜劇シーンが豊富に盛り込まれていますし、オペラ劇場での大騒動クライマックスではダイナミックな動きの連続で笑わせてくれます。また、荒唐無稽なコメディシーンのみならず、オペラを題材にしているだけあって歌唱シーンも本格派の出来栄えとなっていて、特に歌手の若い男女が交互に歌い合う船出の場面ではしっとりとした歌声に聴き入らせてくれますし、船上での華やかなダンスシークエンスにはアメリカに夢を抱く乗客たちの希望が溢れています。
一人旅

一人旅