月うさぎ

バニラ・スカイの月うさぎのレビュー・感想・評価

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)
3.8
「もしやり直そうと思えば人生はいつでもやり直せる」
この映画も少なくとも2度は観直さなければならない映画のようです。
サイコスリラーかと思ったらまさかのSFでした。

多くのレビューではオリジナル映画の『オープン・ユア・アイズ』とストーリーはほぼ同じで演出も似ている、英語とトムに置き換えただけ、のようなものが多くて…本当か?と信じられない気持ちがしました。
だってトムがリメイクできるって興奮した映画ですよ?リメイク権を買っただけでなく、プロデュースも主演も果たしているんですよ。ただ半端に真似て撮るとはとても思えないじゃないですか。 
(『オープン・ユア・アイズ』を観ろって話ですよね。未視聴です。ごめんなさい)

まず、映画の冒頭のシーンのド派手さにびっくり。
ニューヨークのこの景色ですよ?タイムズスクエアですよ!ブロードウェイですよ!セントラル・パークですよ!?
渋谷のスクランブル交差点を完全通行止めして神宮辺りまで立ち入り禁止にして、とか可能だと思いますか?あの、車がぐちゃぐちゃになNYでやっちゃってるんですよ!
この映像がノーCGなのだそうです。
トムが走る走る。
誰もいない町にネオンサインだけが狂おしいほど鮮やかで。
とても不安で美しい映像です。

場面としては短いですがこれだけでも映画史に残るんじゃないかなというロケです。

いつもは目力と顔芸が人一倍目立つトム・クルーズですが、白いマスクの無表情という、表情封印な演技を見せているところも、顔の半分が潰れて歪んでいる(よって発声も明瞭ではない)という、演技に制限ありまくりなところも、今までのトムにはないシチュエーションだと思います。

私なんかマスクを取ったらトムじゃない人が現れるのでは?なんて事まで想像しちゃいましたよ。

ペネロペ・クルスが可愛い。キャメロン・ディアスも可愛いのに、表現の仕方でこんなに怖くてキモい感じに見せられるんだという衝撃。

でもなんだかスッキリ面白かったと思えないのは、やはりどこまでが本当なのかがわからない点と、トム・クルーズのいい人オーラがデイビッドを好きにさせてしまうから。
因果応報だねとは思えなくて、彼に同情したい気持ちの方が強くて、ジュリアナが可哀想って思えない。ソフィアに真の愛を見つけたというのも、どこまでが現実なのかわからないから、リアルじゃない。浮ついて見える。

What is happiness to you, David?

辛い現実があったとしてもリアルを生きるのこそが人生なんだよ。夢の中で不老不死である事になんの意味があるだろう?  
それが結論だというのなら、なぜかしら?最後のソフィアとのシーンはあまりにも爽やか笑顔だったじゃない?

それと思わせぶりな映画の挿入シーンやフラッシュバックのカットなんか、何が言いたいのか、一瞬過ぎてわからないんだもの。
音楽の使い方も、曲のムードではなくて歌詞の内容や言葉をストーリーに当てているみたいで、英語の歌詞を知らない私には、意図が伝わらない。
すみませんね。無知なもんで。という気分になる。

トムはこう言ってます
「テレビで放送している古い映画が何であるかとうことにも意味があるし、音楽の選曲にも全部意味がある。Tシャツの文字にも意味があるんだよ! そういう風にちょっとしたことに手がかりが隠されているから、何回観ても新しい発見があるはずなんだ。」
ハードルが更に高くなりました( ̄∀ ̄;)
ギブアップなので誰か答えを教えて〜💦
月うさぎ

月うさぎ