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黒い潮のragaのレビュー・感想・評価

黒い潮(1954年製作の映画)
3.0
「下山事件」を新聞記者の視点で描くドラマは、松本清張の他殺説と異なる自殺説で切り込んでいく。もちろん真相は藪の中だが、下世話な思い込みによる報道への苦言が盛り込まれている。松本清張と通底する "見えざる圧力" という権威への抗いや、陰謀論など突飛な結末にならない姿勢に共感する。
新聞社の段差を多用したフロアや主人公・速水の自宅の内装など木村威夫の美術に目を見張る。そういえば助監督が鈴木清順(この作品では鈴木清太郎名義)なので、ふたりはここからの付き合いだったことを知る。なるほどそうなんだ。
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