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海の上のピアニストのtotomのネタバレレビュー・内容・結末

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

海上で育ったピアニストは海の声(海が世界の広さを語りかける)を聞くことはできなかった。1900は管理された自分の世界から守りに入って抜け出せず、新たな一歩を踏み出せない多くの人を象徴。 1900がジャズ生みの親との対決で、曲を引き終わったあとピアノ線でタバコに火を付けるシーンはかっこいい。あと、1900とマックスが初めて出会い船に揺られながらピアノを弾くシーンはどうやって撮影したのだろう。    黒人機関師のダニー・ブートマンは豪華客船ヴァージニアン号に捨てられた赤子を見つけダニー・ブードマン・T.D.(Thanks Danny)レモン・1900(ティム・ロス)と名付け、船上で育てる。ダックスは事故でこの世を去ってしまうが、1900はピアノの才能を開花させていく。船上でトランペット奏者のマックス(プルイット・テイラー・ヴィンス)と出会い、親交を深める。マックスは一度も陸へ降りたことのない1900に陸へ降りることを勧めるが、彼は幾度も拒む。ある日1900は船上である女性に恋をするが、彼女が下船したため、陸へ降りることを決意する。しかし、町に立ち並ぶビルを見つめ、突然下船することを断念する。月日が経ち、マックスは下船した後、トランペットを売りに中古楽器店を訪れていた。そこで、1900が船上で恋をした女性に贈ろうとしていたレコードを聞き、ヴァージニアン号を訪れる。しかし、解体作業が行われ、マックスは1900を探す。レコードを船でかけると1900が現れ、陸へ降りることができなかった理由を語る。船という限られた空間で生きてきた1900にとって、無数の選択肢が溢れ、終わりのない陸の世界で生きていくことは恐怖そのものであった。言葉を返すことができないマックスは1900を船に残し、船とともに1900は海に散る。全てを楽器店の店主に話したマックスは、一度売却したトランペットを受け取り、店を後にする。
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