『フィールド・オブ・ドリームス』のフィル・アルデン・ロビンソン監督による"ハッキング映画の原点"的犯罪映画。
プロのホワイトハッカー集団のリーダーが、NSAを名乗る男達から過去の犯罪歴を出汁に、超高性能暗号解読器"ブラックボックス"を盗むよう脅迫される。
"There's a war out there, old friend. A world war. And it's not about who's got the most bullets. It's about who controls the information. What we see and hear, how we work, what we think... it's all about the information!"
ソ連崩壊による国際社会の混乱と、IT技術の発展による情報戦争の始まり。1990年代前半の時代背景が色濃く反映されたエンタメ犯罪劇。
デ・パルマ監督の『ミッション・インポッシブル』のような不信感に満ちたチームケイパーものであり、レッドフォード主演『コンドル』のような巻き込まれ型陰謀スリラーでもあり、ドラマ『Mr.ロボット』のようなハッキング映画でもあった。基本的にはダークシリアストーンだが、オチが顕著だったように、時折明らかなコメディパートも挟まれる。
有識者曰く、映画史上指折りのハッキング映画とのこと。監視カメラ、盗撮、盗聴、電話の逆探知、声紋認証、赤外線サーモセンサーなどのハイテク機器及びハッキング描写がどれも本格的。
レッドフォード、ポワチエ、ダン・エイクロイド、デビッド・ストラザーン、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のメアリー・マクドネル、リバー・フェニックスと、超豪華キャストも大きな見所。特に、大御所スター俳優レッドフォード&ポワチエの共演と、師弟関係のようなレッドフォード&リバー・フェニックスのツーショットが熱かった。一番若手とはいえ、もう少しリバー・フェニックスの活躍が見たかったなー。
米ソ冷戦は終結したものの、ロシアに対する不信感が拭えない。何度も騙され、周囲の人間を信用できなくなっていく主人公に、当時のアメリカの姿が重ね合わされているように思う。
"Computer Date"
120
