福福吉吉

カジノの福福吉吉のレビュー・感想・評価

カジノ(1995年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
賭博の天才のサム・"エース"・ロススティーンはマフィアのボスからラスベガスのカジノの経営を任されるようになった。エースは一目惚れしたジンジャーを妻に迎え、上手く行っているように見えた。しかし、古い友達のニッキーがラスベガスに来てから歯車が狂い始める。ニッキーの暴力とジンジャーのお金への執着がエースの人生を破壊していく。

◆感想◆
賭博の天才のサム・"エース"・ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)のラスベガスでの栄光と没落を描いた作品となっており、これ以上ないほど特異なキャラクターのニッキー(ジョー・ペシ)とジンジャー(シャロン・ストーン)の暴れっぷりがとても楽しくて怖かったです。

主人公のエースは予想屋として天才的な的中率を誇り、マフィアのボスからスカウトされてラスベガスのカジノ「タンジール」の実質的支配人を務めるのですが、予想屋の頃から微細な出来事を見逃さない洞察力に優れており、支配人としても店員や客の行動をチェックするする姿はエースの有能さを示していました。それでいて能力の無い者には容赦なく首にする冷酷さも支配人として適格だと思いました。

しかし、旧友のニッキーがラスベガスに来てから流れが一変します。マフィアからエースのボディガードとして派遣されたのですが、ニッキーは自身の欲望のままに暴れまわります。ジョー・ペシの演技がとても良くて、笑顔のまま相手をどつき回す姿は狂気に満ちていました。

そして、エースは一目ぼれしたジンジャーと結婚するのですが、ジンジャーには愛する彼氏がおり、エースはただの金づるとしか考えていませんでした。私にはジンジャーを好きになるエースの気持ちが全く分かりませんでした。

エースの仕事面をニッキーが潰し、エースの私生活をジンジャーが潰していく様子は凄まじくて、ストーリー後半の展開はエースを貶めるためのものだったように感じました。ニッキーはたぶん、昔からこんな感じだったのだろうと納得できるものでしたが、ジンジャーの壊れっぷりはとんでもなくて、後半のエースとジンジャーの会話が金銭のことしかなかったのも愛の無さの証明になっていました。

ラストは悲惨でしたが、ある意味、当然の報いであるようにも感じました。

俳優陣の演技の良さと地獄絵図のようなストーリーの構成の妙が楽しめる作品となっていてとても面白かったです。私は博打はしません。

鑑賞日:2024年3月12日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2023年5月4日)
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