しゅう

私の殺した男のしゅうのレビュー・感想・評価

私の殺した男(1932年製作の映画)
3.8
ルビッチ監督には珍しいシリアスなドラマ。
「西部戦線異状なし」に自分の殺した兵士の事を思い苦悩するシーンがあったが、今作はフランス兵が自分の殺したドイツ兵の家族に会いに行くというストーリーなのでテーマとしてはかなり重い。
ルビッチの演出は墓参のシーンから水も漏らさぬ完璧さで、ドイツに留まる決意をした主人公がバイオリンを奏でるラストまで感動が盛り上がる。
この時代にしてはかなり反戦思想が強いのも作品の価値を高めている。

ライオネル・バリモアは頑固だが情の深い父親を演じて好演。
フィリップ・ホームズは得意の繊細な青年役でピッタリの役どころ。
ナンシー・キャロルは芯の強く優しい女性を好演するが、真心を感じる演技で印象に残る。
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