Kamiyo

ミセス・ダウトのKamiyoのレビュー・感想・評価

ミセス・ダウト(1993年製作の映画)
4.0
1993年 ”ミセス・ダウト”
監督 クリス・コロンバス
脚本 ランディ・メイエム・シンガー
レスリー・ディクソン
原作 アン・ファイン

名優ロビン・ウィリアムズが女装に挑戦している。女装姿も美人とはほど遠いが、いかに女性らしく見せるかが名優の腕の見せどころなのかもしれない。
相変わらずの名演で笑いどころもいっぱいです。

ロビン・ウィリアムズが演じるダニエルは七色の声を使い分ける特技を生かし、アニメの声優をしているが、見ている子供たちに悪影響を与えるようなことは言いたくないために、勝手にアドリブを連発する。それが原因で上司ともめ、クビになるが、どこ吹く風だ。三人の子供にとっては良きパパで、長男の12歳の誕生日に自宅を移動動物園として開放し、近所の通報で警察ざたになる。
一方の母親のミランダ(サリー・フィールド)は超仕事人間で、家庭向きではない。夫のダニエルが子供好きで子供たちも自分より、夫になついていることに引け目を感じている。それでもこの動物園騒動には堪忍袋の緒が切れたと見え、離婚を切り出す。子供のことは妻に任せっきりな夫とは立場が逆転しているのがミソだ。
普通の家庭であれば子供も年ごろになれば父親がけむたくなるだろうが、長男も姉も、もちろん末娘もみんな父親が大好きだ。ところが裁判所は母親に養育権を与え、ダニエルは週に一日しか子供たちと会えなくなる。

そこで仮面の家政婦のミセス・ダウトファイアになりすまし。子供たちと毎日会えるようになる。
愛情を注ぎつつも、子供のしつけもしっかり行い、お母さんのグチも聞いて、家事も覚え、「父」の顔ではできないことを次々こなす。顔を合わせるとついつい喧嘩になってしまうようなことも、照れくさくなってしまうことも、顔と声色を変えることで素直に表現できる。
仮面をつけたほうが本当になりたい自分。

たくさんの声色を使い分けられるお父さんも、「父」としての本当の声を素直に出すことはできなかった。

たとえば、仕事をしながら子育てをしている女性から見ると、この男とは生活していけないと思うのではないか。
稼ぎがないことが嫌なのではないのです。何の責任も持っていない、後先考えずに子供たちと楽しく過ごせればいい、という男が嫌なのです。
「子供たちを愛している」といいながらも、何のことはない一緒に遊ぶのが好きだっただけにしか見えません。それで周りに迷惑をかけても平気で、妻がその後の尻拭いをしなくてはいけない…そんな妻に気遣うこともできない……
これでは愛想を尽かしますよね。。。。。

彼が妻の気持ちも理解して歩み寄らない限りは、この家族が再び一つになることはないんだろうなと思います。
妻が、一枚も二枚も上手というか、大人でした。
妻が気の毒です。。。結局もとの鞘に戻らないのが良い。

夫婦の問題、リアリティがあるのにファンタジーを見たようなどこか不思議な感覚。
ロビンには映画の中ではいつでも会えるけど
いつか生まれ変わったら
また貴方の作品にめぐり逢いたいです。
Kamiyo

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