のんchan

セラフィーヌの庭ののんchanのレビュー・感想・評価

セラフィーヌの庭(2008年製作の映画)
4.2
フランスの素朴画家セラフィーヌ・ルイ(1864-1942)の半生を描く伝記ドラマ。

パリ郊外で家政婦の仕事をしながら絵(果実、花、葉)を描くことが好きなセラフィーヌは、身寄りも学もなく信仰心だけを持ち合わせていた。身なりは粗末で裸足でいることが多い。
稼いだ日銭では絵の道具を買い揃えることができないため、自然素材で絵の具を手作りしていた。白色だけは作れないために購入する。

ある時、家政婦先に間借り人が越して来る。ドイツ人美術史家(素朴絵の収集家で研究家)のヴィルヘルム・ウーデだった。
その出会いにより、一目でセラフィーヌの才能を見込み、絵を描くように応援する。
しかし第一次世界大戦によりウーデはフランスから離れざるを得なくなる。

10年以上の時を経て再会した2人。セラフィーヌは老いて仕事が減っていたが絵の腕前は上がっていた。
ウーデの助成を最初は訝しんでいたが、その内にパトロンが出来た喜びで金使いも荒くなっていく。とうとう世界大恐慌の波が押し寄せて、ウーデもセラフィーヌの散財を払えなくなる。
個展を開く機会がないまま時間が過ぎ、セラフィーヌは世情を理解出来ぬまま次第に精神を病んで行き、とうとう精神病院に収容される。


セラフィーヌの絵が沢山挿入されていて目の保養でした。
大胆でいてエロティックさや狂気さえも感じる色遣いとタッチ。
セラフィーヌ自身が「自分で描いていての怖い。天から降りてくる」と言うだけあり、神秘的で幻想的だった。

演じたヨランド・モローの成り切り具合いは憑依したかのようで、多くの賞で女優賞を受賞したのが頷ける。


これは観る価値のある素晴らしい内容でした。


※leylaちゃん、ありがとう💕
のんchan

のんchan