西村権太郎

ことの終わりの西村権太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ことの終わり(1999年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしかった。
ジュリアン・ムーアが兎に角美しかった。
ニール・ジョーダンだから、少し斜めってるだろうと覚悟はしてましたが、凄く斜めでした。

観た方は、「え?ちょい斜めぐらいでは?」と言うかも知れませんが、僕はこれは凄く斜めだと思いました。

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現実的な話で言うと、祈って生き返ったからって、誓いとかサッサと破って仲良くすりゃ良い。とか思うんですが、

これはだから拾った財布を交番に届けるか届けないかの事を言ってます。
倫理観や自尊心ですね。誰も見てなくてもアイスの蓋を舐めないかどうかw

なのに彼女浮気する訳で。そして夫が分かり易く不細工。レイフ・ファインズと比較すると。でもしかしたらその夫が、レイフ・ファインズの事が好きなのかも!
ニール・ジョーダンですから。

じゃあ神様(信仰万歳)ムービーなのかと言うと、どうなんでしょうね。
そうゆう訳でもなさそうだし…

戦争の時に、幸せだった。みたいなパラドックスと言い、
綺麗に収まりが付かないんですよね。

でスーパーナチュラルな出来事と無縁に思わせて、ミリコー(ミラクル)が起こる訳ですが、そんな気はしてました。やたらとアザ見せて来るから。

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彼女が誓いを守り、冬の舗道を孤独に歩く時や
夫と墓標の様に冷たく並んで寝ると話す強張った表情を浮かべる時

ああこれ経験した事有る。
ああこれ超苦しいんだよなと
そう思いました。

私にはああゆう経験が有ります。
いつかは奇跡が起きると信じて
可笑しな事をせず、諦めて帰る。
何も言わず、口を閉ざして帰る。
普通でいなきゃと力を振り絞って
そして勉強してトレーニングして…
努力して自分を律して。
でも結局何も生まれなかった40年間。
コートの背中を丸め、寒い冬の舗道を、
吹雪の中を
たった1人で歩いて来ました。

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この物語の中でも、その辺りがピークで美しかった。
画面上では海のサンセット辺りが幸せの絶頂印だったのかな。
彼女が咳をし出してから「あ死ぬんだ」と分かってはいたけど。
なので後半の展開は少し陳腐に感じましたが、妄想を現実に・行動に移しちゃう所も
ニール・ジョーダン節と言えばそう。

で謎のミリコー。

ホンワカはしますけど。
そのミリコーすら起こしちゃいそうに
ジュリアン・ムーアが神々しい。
子供に話し掛ける時の笑顔が、1番綺麗だったかも。
彼女がハリウッドに祝福されるのも
無理は無い。
西村権太郎

西村権太郎