しゅん

逃亡者のしゅんのレビュー・感想・評価

逃亡者(1947年製作の映画)
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素晴らしい…。系統としては『男の敵』同様の「逃げる男」ストーリー。何も成功しないまま救われる受難劇の中で、神父役のヘンリー・フォンダだけでなく脇役たちにも大きな変化が訪れる。繊細な群像劇とガブリエル・フィゲロアの撮影で何度もグッとくる。『裁かるるジャンヌ』を思わせもする広角のアップと、構図の強いロングショットのコントラストが凄い。ドロレス・デル・リオのダンスする生脚も、プリンスを思わせるペドロ・アルメンダリスの表情も、馬に乗った警官たちとワード・ボンドが戦う荒れた玉蜀黍畑のシーンもいい。上げればキリがないほどの名カットの連続。フォード屈指の傑作ではないだろうか。
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