よーだ育休中

ザ・グリードのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ザ・グリード(1998年製作の映画)
3.0
豪華客船アルゴノーティカ号は嵐の中を航行中に巨大なソナー反応を検知すると、強い衝撃に襲われる。一方、同海域を航行していた運び屋John Finnegan(Treat Williams)のクルーザーは、依頼主である傭兵集団によってシージャックされてしまう。傭兵集団の頭領Hanover(Wes Studi)の指示で、クルーザーは沖合に停泊していたアルゴノーティカに乗り込むが、荒れ果てた船内は血の海と化しており乗員乗客は忽然と姿を消していた。


◆ Good times forever!

『ハムナプトラ』『ヴァン・ヘルシング』のStephen Sommers監督が手掛けた初期の作品であり、今やプレミアがついたモンスターパニック映画の代表作。B級作品との呼び声が高いようですが、モンスターの造形はしっかり気持ち悪いですし(『エイリアン』に出てくるフェイスハガーのパクry)、CGのクオリティはある程度保たれていて笑ってしまうような粗さもありません。

《嵐の大海原で謎の人喰いモンスターに占拠されてしまった豪華客船》というワンシチュエーションで、《ならず者たちが一人また一人と餌食になっていく展開》がワンパターンといえばそうかもしれませんが、地上波で放送されるとついついチェックしてしまう作品なのです。ヒロインには『X-Men』に出演する前のFamke Janssenが起用されているので、作品がチープに感じられないのも良いです。何が悪いんだろう。邦題かな。


◆ I gatta really bad feeling about this.

今作のモンスターはみんな大好き触手系です。さすがS.Sommers監督、気持ちが悪いモンスターの何たるかをわかっていらっしゃる。壁や天井、浸水した床などの死角から襲いかかってくるのも良し、勢いよく突進して迫ってくるのも良し、振り向いたら後ろに居るのも良し。ホラー演出の主だった所を一人で何でもできちゃう万能型ですが、反面目新しさの無い器用貧乏でもありました。

健啖家のくせしてお腹は弱い様で、骨だけはゲロゲロ吐き出します。気持ちの悪さに拍車が掛かりますね。人間は基本丸呑みにしている様なのに、船内辺り一面が血の海という状況は理解に苦しみましたが、それもどうでも良くなるくらいにラスボス登場シーンで白目を剥きました。これが今作のダサさたる所以なのでは。

人間サイドの嫌な奴ほど悲惨な最期を迎える天誅仕様にもなっていて、カッコつけた主人公が『嫌な予感がするぜ・・・』発言をかまして、この手の作品に必要な要素はこれでもかという程のてんこ盛りでした。ラストも続編云々ではなく一難去ってまた一難風の演出でもうお腹いっぱい!既視感は凄いけど満足度は高めなモンスタームービーでした。午後ローさん、二、三年後におかわりお願いしますw