松岡茉優

愛の奇跡/ア・チャイルド・イズ・ウェイティングの松岡茉優のレビュー・感想・評価

4.7
傑作。障害児施設で働くことになったジュディ・ガーランドとそこで館長を勤める心理学者バート・ランカスターの話。
まず、ジュディ・ガーランドの所作と子供たちを見つめる眼差しと表情だけで涙腺崩壊。この役をジュディ・ガーランドに演じさせた人天才ではないか。プライベートで荒れ切って悪評もあったであろう中、あそこまで純粋な瞳をした表情を浮かべることができるのは演技を超えてる。尚更、若い頃のジュディが大好きなのであの所作だけでも泣ける。
バート・ランカスター(やっぱり超名優)の苦悩は勿論だが、障害児の両親の苦悩もしっかり描いて良い。ローレンス・ティアニーの「いっそのこと死ねばいい」という台詞が忘れられないし、終盤のポール・スチュワートとのやり取りも忘れられない。ジーナ・ローランズは色気が隠しきれてなかった。黒手袋でタバコを吸うシーンの色っぽさよ。成熟し大人になった障害児たちのエリアを訪れたり、障害児が健常児と混ざり全く共生できない様をわざと映したり綺麗事だけを描こうとしないのも流石。移動撮影と寄りのショットのバランスも絶妙(撮影監督は『ローラ殺人事件』とかのジョセフ・ラシェル)。多様性がどうこう言われる時代だからこそ、全国の小学校の道徳の授業で観せるべき傑作。※プロデューサー:スタンリー・クレイマー
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