ベルナルド・ベルトルッチ監督による"オリエント三部作"の第3作。
"There is no empty room when the soul is full."
輪廻転生に纏わる現代版お伽噺。チベット仏教高僧の転生者と見初められた少年たちのドラマと、仏教の始祖シッダールタの半生が交互に描かれていく。
前作『シェルタリング・スカイ』以上に、ベルトルッチ監督の野心作なのだと思う。摩訶不思議なストーリーで、なんだコレ感は否めなかった。西洋人から見た"東洋の神秘"みたいな話なのだろうか。
一番の収穫は、キアヌ・リーブスが持つ、ハリウッドスターらしからぬ飾らない魅力や、達観したような精神の原点がここにあったと知れたこと。〈巨大コブラに守護される"ブッダ"キアヌ〉の画が印象深かった。
冒頭、ラマ僧一行がシアトルを訪れるシーンは、何とも奇妙な光景で、『ベストキッド4』が頭を過ぎった。ベルトルッチ作品には珍しくがっつりCG映像があったが、なかなか残念なクオリティだった。
母親役はブリジット・フォンダ。メインのラマ僧は『ラストエンペラー』のイン・ルオチェン。
ビットリオ・ストラーロの映像。ネパール・カトマンズの赤、シアトルの青。
坂本龍一の音楽も、心なしか存在感控えめな印象。
・本作の公開から3年後の1996年1月、シアトル出身の4歳の少年が、ラマ僧の転生者に選ばれ、ネパールに渡った。
"'To learn is to change. The path of enlightenment is in the middle way. It is the line between all opposite extremes."
453