inazuma

ZOOのinazumaのレビュー・感想・評価

ZOO(1985年製作の映画)
4.0
レトロスペクティヴ1発目の『数に溺れて』でグリーナウェイワールドに圧倒され、勢いで本作も続けて鑑賞🐌
…『数に溺れて』以上に強烈な印象を受けました。腐敗映像、大量のカタツムリ、ガラスの破片を食すなど禍々しい映像だけでなく、エスカルゴへ向かう途中の川とか神秘的で美しい映像もある。『数に溺れて』でも思いましたが、この監督の作品は川辺とか水の表現がとても美しい。

双子、夫婦、脚、生死…
あらゆる"一対"に支配された作品でした。元々結合双生児である主人公の双子は繋がった一つの服を二人で着こなしたり、雌雄同体のカタツムリを好むなど、一対を超越したものに魅了されます。同時に、動植物が腐敗する映像にも魅了されるのは、生の姿がみるみる死の姿に変わりゆくことと、腐敗により微生物や蛆虫など新たな生命が誕生することなどから生と死が同一であることを実感できるからではないかと思いました。腐敗映像で爆音で流れる、何かを祝福するようなアゲアゲ音楽がツボでした。

"ZOO"の文字を反転させた看板が印象的でしたが、一対の世界を行き来しているということなか、、よく分からない部分が多くて、これは解説がワクワクするやつですね。


ピーター・グリーナウェイのレトロスペクティヴは残念ながら4作品すべて鑑賞できませんでしたが、強烈で今後が気になる映画監督の存在を知れたのが嬉しかった。…なんと、新作が2つも進行中だそうで!絶対観ます!
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