つめけん

大魔神のつめけんのレビュー・感想・評価

大魔神(1966年製作の映画)
3.4
神を畏れよ。

勧善懲悪時代劇に怪獣が出てくるだけの物語。悪者を懲らしめるのが新さんや仕事人から怪獣に変わっただけ。

物語の運びが凄まじくベタ。童話くらいベタ。単純。子供でも安心して見られる。行きすぎた悪政で民を苦しめ自分に罰当たりを働いた奴に、神が鉄槌を下す。

この神、描写的に別に正義の使者ってわけではなさそう。重い腰を上げたのは、悪を懲らしめるためではなく、自分に危害を加えたからというのが最たる要因っぽい。

ただその神の大暴れっぷりが気持ち良い。町のセットを豪快にぶち壊しながら歩き回って、自分を傷つけた諸悪の根源に同じ道具を使って意趣返し。神のやることか?これが…

そしてやはり、神の怒りに説得力を持たせる目力が凄い。一言も台詞ないけど、一目見て怒りが伝わってくる。平時の無茶苦茶穏やかな眠たい顔とのギャップが面白い。
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