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金星のdarumaのレビュー・感想・評価

金星(2011年製作の映画)
4.0
岸井ゆきのちゃん高崎映画祭受賞記念で鑑賞・その1。ケイコは聴覚障害でしたが、こちらは視覚障害者。いわゆる障害者ものっていうと泣かせのイメージがありますが、全く違います。そこがめちゃくちゃよかった。変な言い方ですが、嫌ミスっぽい。

はっきり言って、いい人がほとんど居ない…60分の短尺の中に人間の嫌な所が見事に描かれていました。健常者の嫌な所も、障害者の嫌な所も、どちらも。というか、もうこの括り自体が意味がない。結局、その人自身がどういう人であるか、という事が問題な訳で。

偏見も、傲りも、嫉妬も、卑屈も、無くすのは難しい。
絶対的な違いはあるから。それはどうしようもない。

でも、ラストは良かった。

多分、見えないからこそ見えた、という意味だったのかな…?
その人にしか見えないもの。
それは人によって違うから。

ちょっと泣きそうになった。

ゆきのちゃん、凄くそれっぽく見えました。めっちゃナチュラル!
渡辺真起子さんが物凄くキーになる役です。彼女が出てくる作品にハズレなし。

ふと思えば、これもパワーバランスの話だった。
どうしたって、上と下はできてしまう。
並列で居る事はとても難しい。
並列、じゃなくて、個と個、になるのがいいのだろうけれど…
難しい。
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