マグ兄

宗方姉妹のマグ兄のネタバレレビュー・内容・結末

宗方姉妹(1950年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの小津作品。格が違う。
「古くならないことが新しい」、作中でのその最たる例であるお寺で、妹との古くならない姉妹愛や、上原謙との古くならない愛(それでも結婚しないところに強い意志を感じる。のがまた良い。)を表現しているのが上手すぎる!!昔からの女優、田中絹代と、今風(当時の)の高峰秀子との対も良い。それが、思想の対にもなってて。
不人情という理由で猫が好きな山村聰は、実際どうだったんでしょうかね。仕事を見つけたのは本当なのでしょうが、突然死。田中的には、気持ちは晴れないでしょう。素直になれず、頑固でガキみたいで、クズ発言をし、ぶってますが、辛苦していたであろう事は容易に想像つきますからね。高峰に色々言われてすぐ気にするあたりといい。かなり傷つきやすいのでしょう。
最後の紫の意味がわからなかった。調べたいと思う。
高峰秀子のキャラが個人的には、かなり好き。茶目っ気があって。笠智衆も見事な父親を演じてた(山村が死んだ後出てこないのも良い。)。田中絹代っていつも不憫な役だなと思いつつ。
個人的には、最初の斎藤達雄の登場、高峰秀子のキャラ、平手打ちをするとこといい、「淑女は何を忘れたか」を、想起させるなぁと思った。上原謙が出てたなぁと思いつつ。
きっと女性をぶった事で小津の中でも評価が低いのでしょうが、かなりの名作だと思います。
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