スローモーション男

心のともしびのスローモーション男のレビュー・感想・評価

心のともしび(1954年製作の映画)
4.8
カーク・ダグラスからのダグラス・サーク!

 これまた素晴らしい映画に出会った。

メロドラマの巨匠ダグラス・サークの作品。
 ショパンの「別れの曲」はズルいよ。泣いてしまうよ😢

 主人公ボブはボートの水難事故により、重症を負うが人工呼吸器のおかげで一命を取り留める。しかし、その人工呼吸器を貸したせいでフィリップ医師が亡くなってしまう。その妻だったヘレナにボブは許しをしようとするがそのせいでヘレナは交通事故にあい失明してしまう…。

 悲しい出来事が続く映画だし、その相手に許しをもらおうとするボブの身勝手さが気になるが、途中から美しい愛の物語に変わり、素晴らしいメロドラマが完成してしまう。

 この「許し」についての映画は『聲の形』などあるがちかうと思う。自分がやってしまったことで他の人が犠牲になる。それでも何か自分にできることがあるのではないだろうか?それを主人公は考え貧しい人々を救おうとする。
 チャップリンの『街の灯』キャプラの『素晴らしき哉、人生』にも通じるテーマ。

テクニカラーの素晴らしい映像美と感動的な音楽でこの映画は素晴らしいカタルシスが待っている!
 世の中は悪人ばかりだ。それでも善の行いをすれば何か変わるかもしれない。それを再確認させてくれる。

 やっぱり良い映画です!