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「女の小箱」より 夫が見たのkojikojiのレビュー・感想・評価

3.5
1964年 監督は増村保造。
 直木賞作家、黒岩重吾の「女の小箱」が原作
 岸田今日子と若尾文子のW主演作品「卍」と、この作品はどちらも1964年に公開されており監督も同じ増村保造。

 会社乗っ取りという夢を追う男とそれを防衛しようとする男。この二人の男を取り巻く女達の愛憎劇。

 敷島化工の株式課長川代(川崎敬三)は会社乗っ取りの防衛に必死で、妻の那美子(若尾文子)との生活を顧みず、破綻しかけていた。乗っ取りを企む石塚(田宮次郎)は株主名簿を目的に那美子に近づくが、いつの間にか彼女を愛するようになる。那美子も夫の身勝手な行動に愛想を尽かし、石塚にひかれるようになる。しかし、石塚には10年間付き合っている洋子(岸田今日子)がいた。

 若尾文子が耐える妻から石塚との恋愛で目覚めて、一人立ちしていく女を演じる。
 前半は夫に虐げられても自己主張をしない訳のわからない女だが、次第に自己主張をしだす。その成長する姿が見どころだ。途中、途中若尾文子が吐くセリフが鋭く気持ちがいい。
 
 例によって、若尾文子のヌードは太めの「吹き替え」さんが頑張ってる。吹き替えにするなら、そんなシーン撮らなくて良さそうなもんだが。

 岸田今日子が怖い。ラストで復讐を企てる彼女があの顔で笑うとホラー映画になる。ゾッとする。

 古い映画特有の不自然なシーンやセリフもところどころあるが、全体的にはストーリー展開にリズムがあって結構面白く観れた。

2022.11.29視聴-525
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