イチロヲ

火の森のイチロヲのレビュー・感想・評価

火の森(1970年製作の映画)
4.0
オートバイに跨がり一人旅を続けている厭世家の青年が、森の中に佇む古民家にて、謎の美女3人組の接待を受ける。ヒッピー・ムーブメントの影響下で製作された、サイケデリック・ムービー。

端的に言うと、虚実不明瞭な世界に迷い込んだ青年が、幻覚かも知れない美女たちとの問答を通して、人生観を刷新させていく物語。普遍的な自己実現のドラマに、70年代の「シラケ」をミックスしたような路線に走っている。

美女たちが居住している民家のサイケデリックな室内装飾と、フォークロア&ボヘミアン系のコスチューム・プレイに目を奪われっぱなし。とりわけ、カーリーヘアの美女のスケスケ具合がエロくてサイコー。

中盤部に入ると「食事と性交渉の反復行動に、生きていることの実感を見いだす」という典型パターンに突入。フェリーニを元ネタにしたようなパッチワーク感が半端ないけれども、「ヒッピーのダメなところ」を揶揄しているような展開が痛快無比。
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