回想シーンでご飯3杯いける

ミュージック ~僕だけに聴こえる音~の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.4
久々のamazonプライム無料体験期間という事で、amazonオリジナル作品のレビューはまだまだ続く。

本作はニュージャージー州で暮らすブラジル系アメリカ人の話。主人公の青年は、日常の生活音が音楽に聞こえる能力を持っていた。それを表現する演出が、ミュージカル的でもあり、アクション映画のようでもあり、「ベイビードライバー」の発展形みたいで凄く面白い。度々登場するこのパートだけでも本作は十分に評価できる。

これ、本作では特殊な感性のように描かれているけど、割と誰にでも身に覚えがある事ではないのだろうか。少なくとも僕はそうで、周囲のビートに合わせて、その時に頭に浮かんだ食べたい料理の名前を連呼したり、音楽ってそういう感じで世に誕生するものだと思うのだ。

いずれにせよ、実際はそう見えていなくても、それがさも現実になっているように描く事って、映画表現のとても大事な部分だと思う。

そうした演出面の豊かさに対して、ストーリーはやや平凡。特に終盤のクライマックスで例の演出が殆ど入らないのが残念過ぎる。