わごむ

正義の行方のわごむのネタバレレビュー・内容・結末

正義の行方(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

見始めてからの既視感。
あ!ドラマ「エルピス」だ!

しかしこちらはホンモノ。
生々しさが全然違う。
158分と長尺ですが、グイグイ引き込まれる。

事件の概要を追いつつ関係者のインタビューで
肉付けしていく構成。
弁護団の再審請求の結末と、
西日本新聞社の事後調査の2段構えで
うまい作りになってる、飽きさせない。

それぞれの関係者の発言を
表情含めよくよく観察してみたけど
食い違ってるのにみんな本当のこと言ってる気がする。
それぞれの信念、それぞれの正義を語ってる。
皆さんそれなりのキャリア、経験を積んできた方たちだからだろうけど。

印象的だったのは、やはり警察関係者の話。
1個も疑ってないんだよね。
犯人は久間であることを。
当時の自分の捜査に自信を持ってるんだなと思った。

そんな中、事後調査に乗り出した
西日本新聞社の姿勢がすごいと思った。
しかも調査を、当時取材に当たった本人ではなく別の人間にやらせたこと。

作中でも言ってたけど、
「当時の自分も裁かれる」
=自分が正義だと思って書いたものが
間違っていたと突きつけられる。

これに対する覚悟。
例えそんなことになったとしても
ジャーナリストとして、
真実を詳らかにしたいという信念、
正義の在り方が心に響いた。

権威だから、プロフェッショナルだからと
盲目的に信用しているものも
不確かでもしかしたら間違っているのかもしれないと疑う事の必要性を改めて感じた。
わごむ

わごむ