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長靴をはいた猫のncccoのレビュー・感想・評価

長靴をはいた猫(1969年製作の映画)
3.6
子供のころに観た記憶を辿ってAmazon Primeでふと観てみたけど完成度の高さにひっくり返った。観終わった後しばらくずっと、びっくりしたニャン♪の音楽が永遠ループして止まらない。

賑やかな猫たちのバタバタ劇と同時進行で語られるピエールの冒険譚。
キャラクターの動きのひとつひとつがいちいち可愛くてほっこり。

ペロと3匹のシャム猫たちのバトルが作中何度も何度も繰り返されて、そのシークエンスの合間を縫って気づいたらいつの間にか少年ピエールがすっかり逞しくなっているという不思議。
ローザ姫を守らんがため、ピエールが勇敢に魔王に立ち向かっていく様は頼もしく、朝日に希望を差し出す感動的なフィナーレの爽快さといったら。

ディテールがめちゃくちゃ凝っていて、考え抜かれたプロットに脱帽。シラノ・ド・ベルジュラックを思わせる月夜の告白シーンなんて、あぁ、痺れますねぇ。

ひょうきんなペロもいいけど、シャム猫のドジも大好きだけど、個人的ヒットはネズミのお父さんの「セガレを食うなら俺を食ってくれ ぐえええええ」です。あんな名台詞はもうこれからもきっと出てこまいよ。
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