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不死身ラヴァーズのminamiのレビュー・感想・評価

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
2.4
前半、あまりの展開の速さとぶっ飛び具合に置いてかれそうになったけど、なんとかくらいついたら後半からおもしろくなってきたという感じ。

試写会じゃなかったら観ていなかったかもしれないなぁと思うけど、であればなおさら、普段観ないような作品にであわせてくれてありがとうと思う。

原作は未読だけど未完のまま終わってしまった(今度読み切りが出るそう)ということで、「なぜ両思いになった瞬間に消えてしまうのか」といったところなどは完全にオリジナルストーリー。
でもそれがよかった。

漫画も結構ぶっ飛んでいる描写が多いそうだけど、松居大悟監督といえば、数々のぶっ飛びクレイジー描写を行ってきた人なので、そのままいけば大変な騒ぎになりそうなものを、「僕も大人になったのでリアルなほうにいきました」と舞台挨拶で言っていたとおり、納得感のあるほうに進んでくれたので安心して観ることができたという感じ。

あと漫画では主人公が男子のボーイミーツガールストーリーだそうで、それを逆転させたのは見上愛ちゃんの佇まいと先の読めない雰囲気あってのものだった&「この時代に男子がしつこく一生懸命つきまとうのはちょっと怖い」(わかる!!!!!)という配慮もあってのものだったらしく、それもよいアレンジになったんじゃないかなという気がする。

女の子だから、しかも見上愛ちゃんだから、なんとなく「がんばれ!」って応援していた部分も、人が変わったらもっと引いたところから観てしまっていたように思う。

田中のキャラ(と青木柚くんの演技)もよくて、原作のそれと変えてくれてありがとうと思ってしまったけど、きっと漫画は漫画で魅力があるんだろうな。でも漫画を実写化するのって、特にぶっ飛んだ描写の多い漫画の場合、フィジカルで表現できる部分に限界があるから難しい。

それをきちんと理解したうえで作られた感じがして、原作にも映画にも制作陣のリスペクトが感じられました。
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