チェンコ

水深ゼロメートルからのチェンコのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
1.5
契約か何かの都合で監督はこれを嫌々作ったのか?ってくらい作り込みを感じない作品だった。

原作があるから仕方ない部分はあるんだろうけど徳島弁がもうかなり限界だった。
一人一人違う訛りかなってくらい差があって違和感がずっと続く。
ずっと徳島弁ってわけでもないし、喋りのテンポも悪い。
さらに真夏って設定でずっと蝉の声がBGMで流れてるんだけど、そんな炎天下の中プールで砂を掃いてる主人公たちが一滴の汗もかかない。
「汗というものがない世界なんだな」と思って飲み込んでたらセリフで「メイク、汗で落ちちゃうよ」はさすがに、え?ってなる。
あとプールという枠があることや、野球部のグラウンドなんかも最初から位置がわかるようにしてるせいで、影の角度が定まってないのが見ててわかっちゃうのも残念。
木の影もプールに掛かったり掛からなかったり。
砂の量も異常すぎるでしょ。
本当に掃き切れないほどの砂が日々飛んでるならもっとプールに砂が溜まってるはずだし、1ヶ月もしないうちにグラウンドの砂全部なくなるぞ。
こだわればもっと上手くやれたろうに。
なんでやらなかったのか不思議。

そういう演出的な問題点がたくさん引っかかってしまうので対象年齢は中学生くらいまでという印象です。
おそらく元の学生演劇を舞台で観た方が遥かに面白かったと思う。

あと原作自体を高校生が作ったから仕方ないんだろうけど、テーマである「女性」というものがいかにも10代の視点というか社会経験の無さから来るものがあって見てて無理を感じる。
しかも、なんかその視点がいかにも正しいみたいに終わるのも違和感がすごい。
女性の社会での立ち位置を「男性との対立」と「男性への従属」の二極論で捉える。
さすがにこれは…って感じ。
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