Toineの感想文

ファミリー・ディナーのToineの感想文のネタバレレビュー・内容・結末

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

【大切な命を身体に取り込む事で永遠となる】
復活祭がテーマの不穏な映画。
ハロウィンの次にイースターが好きです。
そしてふくよかな人も大好きです。
そういう訳で今作は劇場で鑑賞いたしました。

主人公のシミーたん可愛すぎ♡
と思っていたら映画開始早々にダイエットなどやり出したので私の気持ちが萎えました。
だがしかしシミーたんが滞在する叔母一家3人が嫌味かのように細身なのでシミーたんのふっくら具合が強調されて癒やされました。

料理研究家の叔母様…極端なオーガニックとか自然信仰が行き過ぎた成れの果てみたいな。
食を悪い意味で突き詰めてカルト宗教みたいになっちゃったのですかね。
実の母親と継父に怯える息子フィリップくんがずっとびくびくしてて良かったです。

復活祭の日曜日に振る舞われたのが何のお肉なのかは想像つきましたけど。
それでも最後まで飽きずに鑑賞できました。
それほど雰囲気作りが抜群に良い映画でした。
シミーたんが見付けた解体されたフィリップくんのビジュがめちゃめちゃ美しい。
このカットだけは映画館の巨大スクリーンで観ることができて嬉しかったです。
華奢な体が削がれて露わになった骨とか切断された腕とか素晴らしかったのでもっとじっくり映して欲しかったです。

んで最後シミーたん覚醒からの一家根絶やしの流れもお約束のいつものやつ。
この展開きたきたーと思いながら観ていたら最後シミーたんスタミナ切れ起こしたのか座り込んじゃったから吹き出しそうになりました。
シュールな終わり方だった。可愛い。

オーストリア映画独特の淡々と残酷な事をしでかす演出やオープニングカットで「ファニーゲーム(1997)」、兎さんの解体で「ネクロマンティック(1987)」のオマージュを感じるカットも個人的にはお気に入りです。
ハリウッド映画のような派手さは無いですし後半の展開が散らかっているので好き嫌いは分かれそうですが私は好きな作風でした。