制作発表された時から絶対観ると決めていた作品。
色も景色も構図も光も音楽も、劇中のあの作品も、登場人物も、もちろん物語も。
全てがすんなりと染み込んできて、あぁ、やっぱり藤井監督の映画に生かされているなと思わずにはいられない。
人が全然乗ってない真冬の雪国の鈍行列車。
トンネルを抜けた瞬間の真っ白な世界。
どんな映画よりもなによりも私の心を揺さぶる大好きな空間を、
梅雨前の夜の映画館という対比のような環境で体験して、なぜか涙が出た。
岩井監督のオマージュであろうあのカットも素敵だった。
私は、カメラを手にして、自分を確かめる旅に行きたいかもしれない。
台湾でもいいし、ブラジルでもいいかも。雪国とは反対の、台南のような蒸し暑い地域がいいかな。劇中でアミも言ってた、あるはずのない懐かしさを感じてみたい。
18歳と36歳を演じ分けたシュー・グァンハンさん、凄まじい泣きの演技の果耶ちゃん、主演の2人が見事で、レイトショーの余韻に浸る。
