チャン・チェンがプロデュースで、日台合作映画を製作したいという目的を実現した作品。
主演の許光漢（グレッグ・ハン）と清原果耶の演技は、良き。また、元々が電車の旅の原作で、長野から新潟にかけての列車の旅部分は、素敵な感じになっている。
ただ、作品全体としては、まったくチャレンジしておらず、ただ置きにきただけの凡庸な作品になってしまった。
原作から映画化脚本に追加されている部分が、おおむねベタな設定や演出で、観光ＣＭを創りたいのか、という内容。撮影と脚本が残念で、物語の前半の画が、日本のドラマかと思える平凡なカットばかりが並び、台湾映画のみずみずしさがまったく出ていない。後半の撮影もいまいちですが、桜、ランタンと観光ガイドに乗っていて、桜出せば、日本らしくていいだろうという安直な発想。ラストの展開も、何度も擦られているような物語で、残念な出来。これは、監督の演出以前のプロデューサー段階での問題な印象ではありますが、藤井道人監督作品は、清原果耶さんの演技が印象的だった『デイアンドナイト』のあたりは、クリエイティブな意欲を感じられたが、どんどん頼まれ仕事の置きにきたようなものばかりになってしまった。
2024年5月6日＠グランドシネマサンシャイン
