BOB

白鳥のBOBのレビュー・感想・評価

白鳥(2023年製作の映画)
3.6
Netflix制作、ウェス・アンダーソン監督×ロアルド・ダール原作の短編映画第2弾。

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ウェス・アンダーソン監督流の絵本の読み聞かせのような作品。ウェス・アンダーソン監督の芸術センスが冴え渡る映像の中で語られるのは、酷いイジメを受ける少年の姿を描いた、悲しくも心揺さぶる物語。"はみ出し者たち"を描き続けてきたウェス・アンダーソン監督らしいテーマが通っていた。

陰湿なイジメとその結末に胸が張り裂けそうになったが、その一方で、痛みや死の恐怖にさえも決して負けない不屈の精神に感動すら覚えた。

レイフ・ファインズの台詞にもあった通り、これは子どものイジメの話に留まらない普遍性のあるお話。もし、自分が同じような立場に置かれたとき、果たしてあなたは彼のように意思を貫き通すことができるのか。そう問われているような気がした。

ナレーター兼大人ピーター・ワトソンを演じたルパート・フレンドの声が心地良い。早口な長台詞の連続。かなりの集中力を必要とする撮影だったのではないだろうか。

"Some people, when they have taken too much and have been driven beyond the point of endurance, simply crumble and collapse and give up. Others however, though they are not many, who will for some reason always be unconquerable. You meet them in time of war and also in time of peace. They have an indomitable spirit. And nothing, neither pain, nor torture, nor threat of death will cause them to give up. Little Peter Watson was one of these."

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