椎良

サンクスギビングの椎良のレビュー・感想・評価

サンクスギビング(2023年製作の映画)
4.0
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〈プリマス・感謝祭当日のスーパーにて暴動が起き、死者数名を出す異常事態に。
その一年後、暴動を助長した客の死体を晒し上げる事件が発生。犯人のアカウントに"タグ付け"され生命の危機を感じる若者ご一行、血みどろのダイニングへとご招待…〉

2023年のラスト映画として選んだ、イーライ・ロス監督によるグロの大祭典。
原案は「グラインドハウス」における同監督のフェイク予告。続編も決定済みとのこと。

R18+指定が当然のグロ死描写の数々が映画を彩り、加えて悪趣味というスパイスがこれでもかとかけられていて好きな人はどっぷり好きそう。洒落にならないのになんか笑えそうでもある点は「グリーン・インフェルノ」の感じを思い出す。
フェイク予告からの変更点として、エ◯要素は排除されている。その分描写のエグさに一点集中させているので文句は無い。死に方の多様性が滅茶苦茶に達成されている上に、特に中盤で生き急いでるのか?ってくらいのスピードで人が死ぬ。しばらくジャンプスケア演出をスクリーンで見てなかったので思いっきりビクビクしてた。
犯人探しも要素の一つ。結果は予想外…というわけではなかったが 悪くない!

スーパーにおける波乱の人災シーンは、そのありえなさは置いといて なかなか見られないものであると思う。
明石花火大会の歩道橋事故や梨泰院での事故などの具体例も挙げられるが、人間が束となって殺到することは命も脅かす、恐ろしいものであるという意識がそこに見えてとても良かった。ワッフルメーカー…………?

登場人物の掘り下げについてはその差が激しく、記号的なキャラもそこそこ…主人公以外ではほぼ何の感情移入も出来なかったような。いや、あの動物に対する態度は除く。
あとSNSアカウントという要素、舞台装置だけでなく人々のグロテスクな好奇心にクローズアップする役割を期待してたけど、そこまで深入りはしてなかった。

グロ描写はしばらくこりごりだよ〜って程にお腹いっぱいになる作品。それで良い、それが良い。
ファミリー向け映画も多い年末年始、R18+スプラッターが大スクリーンで上映されることに✝感謝✝
椎良

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