Jellyfish

異人たちのJellyfishのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
2.5
1988年公開の邦画「異人たちとの夏」 (原作 山田太一、監督 大林宣彦) を、ロンドンを舞台にサーチライト・ピクチャーズがリメイク。

1988年版 (原作小説は未読) は
・現代における小泉八雲の「怪談」
・タイトル通りの夏のノスタルジーの映画
・浅草、小柳の鰻
・秋吉久美子が抜群に良い
という印象。

もっと改変しているかと思ったが、意外とオリジナル踏襲なストリー。とはいえ、ノスタルジーより孤独感・喪失感の比重が大。使われている楽曲に馴染みがなく、時代感や季節感 (冬?) がイマイチ感じられなかったのが残念。

現実と、彼と、両親の世界の境界が混沌とし始め … そして一番異なるラストへ。これは、この話自体が彼のいまわの際の幻想ということなのか。最後に流れる楽曲は、歌詞字幕をつけて欲しかったなぁ。

元来不思議なストーリーなのだが、 40年近くも前の日本の非常にドメスティックな原作を、よりミニマルな構成で今リメイクしようとした製作陣の思惑が一番の不思議で興味深いところ。
Jellyfish

Jellyfish