YukiBan

アメリカン・フィクションのYukiBanのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

アマプラの吹替版で視聴。字幕版がなかった。字幕の文字化けはすぐには直せないようだ。20年ぶりくらいに吹替観て、未だに声優さんたちが変わってなくて驚いた。

ちゅ、多様性。が叫ばれている世の中で、黒人を描いた作品を享受して、己が多様性を持った人間であると勘違いしていたなと思う。
ドラッグ、レゲエ、暴力、貧困、殺人…これらが出てくるのが黒人社会であると、ハリウッドに思わさせられていた。
全然、ちゅ、多様性。じゃない。画一的なイメージを持たせられていた。

本作に出てくる黒人の方たちはこれらのイメージとは全く違う。ふつうに生きている。なにも事件は起きないし、特に印象に残るシーンもないし、オチすらもふわりとしたものだ。
ただ、それが狙いなんだろう。

芸術性の高い小説を書くことばかりしていた売れない黒人作家の主人公が、市場が求めるステレオタイプな黒人小説を書き、大ヒットして苦しむ姿を私たちがみるとき、僕らはちゅ、多様性。をウリにした画一性を食べさせられていた気持ち悪さに気づく。

今までにない視聴後感だった。最高。
YukiBan

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