CHIPOCO

SaltburnのCHIPOCOのネタバレレビュー・内容・結末

Saltburn(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最初から主人公が最上位カーストへの歪んだ憧憬が見えてこなかったのも、友人に虜になる初速の速さも、最後で回顧録であると明かされることによって、都合の良いことを端折って、嘘で塗り固めてきた主人公の人間性が映像に一貫性を持たせていると気づかされて脱帽した。
目眩く映画の系統が変わっていき、スクール映画、ヒューマンドラマ、ダーティな純文学ときて最終的にどんでん返しサイコスリラーに落ち着くのが見てて飽きがこなかった。
経血バンパイア、性液排水溝クンニ、墓レイプときて最後はお仕事完了ご機嫌全裸ダンスといった、バリーコーガンクソキモセット目白押しだったので気分悪くなりたい時に最適。
あまりにグロテスクなお屋敷乗っ取りパラサイト描写ではあるのだが、「太陽がいっぱい」よりもずっと階級側が俗っぽく絶妙に不憫に思わせない軽薄さがあり、そこに漬け込まれたんじゃねえか!とツッコミたくなってしまう。
そもそも嘘をついて取り入った主人公並みに自分達が役を演じていることを悦に入っており、息子が死んでいるのに形だけある慣わしを行っていなければ他に何をすればいいかも不覚になってしまうのが、英国のプライドの正体を暴いている。
主人公もそんなに賢いなら権力への憧れも冷めるとは思うが、こんだけ屈折した人間性なら固執するのも仕方ないか。
倒錯した性愛と間違った功名心が都合よくうまくいった場合の教習ビデオでした。
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