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52ヘルツのクジラたちのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.9
2021年本屋大賞受賞作品の映画化。※原作未読
ヤングケアラー、児童虐待、育児放棄、孤立化など日本社会の抱える社会問題をベースに描かれた作品。主演の杉咲花の演技は圧巻で、彼女だからこそ成立しているともいえる。さすがの杉咲花。
2時間程度の尺の中で、貴瑚と岡田安吾との関係性や、「ムシ」と呼ばれる少年と貴瑚を描くのに加え、安吾の事情をさらに加わることで、重厚さを増すというより、視点が分かれてしまったのが、残念。原作にある設定かもしれないが、「52ヘルツの声」SOSを発する関係性に物語の展開を集めた方が、シンプルで心に届きやすくなったのだはないか、と感じてしまった。また、新名のキャラクタが、物語のために用意された感が強くて、浮いてしまった。一方で、加害者たる少年の母親や貴瑚の義父や実母が糾弾されないことに、少し違和感が残った。勧善懲悪である必要はないが。。。
2024年3月17日@MOVIX京都
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