ベンジャミンサムナー

ぼくは君たちを憎まないことにしたのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

4.0
 テロで妻を亡くしたアントワーヌ・レリスが、フェイスブックでそのテロリストに向けてタイトルの言葉を綴った実話の映画化。

 そこだけ切り取ると「聖人だな〜」と思うし、SNS上の投稿は記録として残るからずっとそのイメージが定着していくけど、人の感情は水物であることを本作は教えてくれる。

 そういう決意表明をした以上、世間からは憎しみや悲しみを完全に断ち切ったように見えても、妻の遺品や思い出が残る家が、まだ妻の死を自覚できない息子が、それを許してくれない。

 アントワーヌを神格化されたイメージから開放する作品になっている。
 
 息子を演じたゾーエ・イオリオはまだ3歳なのにちゃんと場面に沿った演技ができている事に驚き。