まーしー

DOGMAN ドッグマンのまーしーのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.0
“規格外のダークヒーロー爆誕”
このキャッチコピーとリュック・ベッソン監督に惹かれ鑑賞。

本作の主人公はダグラス。
トラックの運転席に座る彼が、警察に取り込まれるシーンから本作は始まる。
ダグラスは女装、トラックの中には数多くの犬がいた——。

ダグラスはなぜ女装していたのか。なぜ彼の周りに多くの犬がいたのか。
ダグラスと精神科医との対話の中で、こうした疑問が少しずつ明らかになっていく。

パンチ力ある「ダークヒーロー」の誕生というより、幼少期の虐待や貧困に起因した、悲哀あふれる人物を見事に活写している印象。
家庭環境にしろ恋愛にしろ、自分の思い通りにいかない半生。しかし、犬は彼を裏切らない。ご主人に対して、際限なく忠実である。
周囲の人の助けがないなか、犬の忠誠心だけが光り輝いて見えた。

終盤は、リュック・ベッソン監督らしくアクションも。
ここでは犬の賢さ・すごさを痛感させられる。

以上のように、『レオン』のようなダークヒーローを想像するよりも、『ジョーカー』のような社会から排除された人物の物語と思うべきかも知れない。