あかめ

ハピネスのあかめのレビュー・感想・評価

ハピネス(2024年製作の映画)
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初日の昼間の客席にはロリータファッションの二人組がいました。
ヒロインは余命1週間を大好きなロリータファッションで身を包み、ロリータファッション好きの姉を持つ恋人と過ごすことを望みます。
彼女はとにかくカレーが大好きで甘いロリータファッションとカレーの辛さでバランスをとって生きているようでした。
余命一週間、人は何を考えて何をするのか?彼女にはラッキーなことに自分のことを100%受け入れてくれる彼氏がいた。
しかし、彼氏は余命一週間ではじめて彼女がもうすぐいなくなってしまうことを知らされ混乱します。彼女の両親はすでに彼女の間近に迫る死を覚悟し、最期の日々は彼女の望むようにさせてあげることを決めています。
そういう彼女のまわりの人々を見ているとこちらが堪らない気持ちになります。
主要キャストがみんな素晴らしかった。ヒロインの蒔田彩珠が絶妙なニュアンスで死を覚悟したロリータ少女を演じ、その恋人は窪塚愛流が彼自身の持つ天性のイノセンスで彼になりきっていました。
彼の姉である気高いロリータ成人女性は橋本愛、少女時代美少女だったからイジメの標的にされたと語る彼女は少女時代「告白」で別格の美少女であったし、まさに彼女のためのような役。
ちょっとやさぐれたヒロインの父の山崎まさよしも演技力を超えた存在感でいいパパになっていました。
吉田羊さんのロリータファッションは全然ありな美しさでした。まさに適材適所な配役で嶽本野ばらの甘くて残酷で幸せな物語が語られていました。原作は読んでいませんが、これなら原作ファンであろう客席のロリータたちも大満足の映画化だったのでは。
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