氷雨水葵

エクソシスト 信じる者の氷雨水葵のレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
3.6
2023年114本目

子どもたちの演技はよかったが・・・

◆あらすじ
ハイチ地震で妻を亡くして以来、男手ひとつで娘アンジェラを育ててきた父ヴィクター。

ある日、アンジェラと友人キャサリンが学校帰りに森のなかで姿を消し、何も覚えていないまま3日後に発見される。

やがて、2人の少女は人格が変わったように凶暴になり、家族はかつてない恐怖と対峙する―――。

◆感想
公開1週間以上経ってようやく鑑賞できました!

下半期、、、というか12月ラインナップのホラー映画のなかでは期待値高めだったのだけれど、これはなんというか製作意図が見えない残念な結果になってしまった印象です。正統続編というからワクワクドキドキと胸を躍らせていたけど…。
2人の少女が行方不明になり、帰ってきたと思ったら徐々に様子がおかしくなっていく、そして親たちがあれやこれやと頑張るという流れはオリジナル版を彷彿とさせます。ただ、オリジナル版よりも宗教ドラマ色が濃くなっている印象で、恐怖シーンはない。正直、途中で流れるテーマ曲(アレンジなのかな?)を聴けてやっとテンションが上がるくらいで、個人的には刺さらなかったです。
とはいうものの、オリジナル版キャストである、リーガンの母親役エレン・バースティンさんが起用されていたのはこの上なく嬉しかったです!!前作を知らない人は、これを機にぜひ観てほしいです。ただ、そんなに目立った活躍もなく、結構雑に退場したのだけれど、ここらへんの扱いをどう心得ておいでで製作陣よ。せっかく再起用したんなら、活躍の場作らんかい!

そして本作の見どころは、悪魔に憑りつかれた2人の少女、アンジェラとキャサリンを演じたリディア・ジュエットとオリヴィア・オニールの演技。悪魔に憑依されだんだん正気を失っていく過程がよかったです。お互いシンクロしつつも、憑依レベルが違うとわかるのは2人の演技の賜物でしょう。感情がむき出しになるシーンもあって、そこはすごく恐怖が伝わってきました。完全に悪魔憑きされた時よりも、それまでの演技のほうが断然怖かったよ。オリジナル版を彷彿とさせる鋭い視線と表情にドキッとしました。とくに、キャサリンは教会でのシーンが印象的で、ポスタービジュアルは歴代シリーズにあってもおかしくない構図。てか、キャサリンが主役じゃないのね💦アンジェラと父親がメインでしたわ。

ラストは意外な結果だったなあ。悪魔が親たちに選択を迫るわけだけど、え、どっちの魂も持っていたらよくね?と思ってしまった。そこに罠なんて必要ないし、純粋な少女の魂どっちかしかいらんの悪魔さん?神を・悪魔を信じるか、さらにはあの時(妻と子供どっちか)みたいに選べってことなんだろうけど、父親の過去に紐づけた結末にするにはちょっと無理がなかった?まぁ結果、アンジェラ父は神も悪魔も信じ、逆に敬虔な信者であるキャサリンの両親のほうが信仰ガタガタになるのは面白かったけど。「神なんて信じない」パターンとしてはお決まりの流れでした。

唯一よかったのは、エンドロールで『Tubular Bells』が流れるところ。やっぱり『エクソシスト』といえばこれ。不気味なメロディーの連続が不穏な感じがしてたまらない

どうやら3部作あるそうですね~多分観に行きますが、期待値はそんなに…w
氷雨水葵

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